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心の定点観測のように続けている、神戸メンタルサービス主催の
ヒーリングワークに年明け早々参加してきました。
ほぼ同じ環境下での開催なので、自分の変化がとても分かりやすいことと
毎回、全プログラム終了後に沸いてくるキーワードを楽しみに参加しているわけですが
今回降ってきたのは!

『PLAYERになる』

でした。えええー自分には似合わないなぁと一瞬思ったのですが、
今回はすぐに、いや違う。いいんだ、そうだったんだ!と気づきました。

じつは、この兆しは昨年からはじまっていたのです。
思い出すこと昨年の夏、ほぼ「だまされた!!(笑)」という状態で訪れた
横浜・中華街のとある獅子団の練習会場。

今まで獅子舞なんて接したこともなければ、見たことさえほとんどない自分に対し、
他のメンバーは、生まれる前からお母さんのお腹の中でリズムを聴いてきたり、
中華学院の授業で習っていたり、中華街在住だったり、
そもそも華僑だったり華人だったり……
とてもアウェイ感が強いスタートでした。

しかも、獅子団として演舞するということは、すなわちPLAYER!
人に見せるためのものですから、苦手な目立つことをしなければならず
これまたわたしにとっては苦行であるチームワークもしなければならないという
可能ならば逃げ出したい状況。

だけど、不思議なことにどんどん惹きこまれていったのです。
決定打になったのが、日本人とのメンタリティの違いでした。

「こういうことに反応するんだ」「そんなふうに考えるんだ」と
毎回毎回結構な驚きがあるのですが
とある老人福祉施設に獅子団として慰問に訪れたときのことです。

まず、慰問にも関わらず、みなの服装がものすごく適当!
わたし一人がかしこまった格好をしていました。
この人たち自覚があるのだろうか……と戸惑いつつ
訝しげな施設の職員の方たちの視線を気にするTHE日本人のワタクシ…..

消毒の徹底と施設内でのルールの説明を受けたまではよかったのですが
続いて入所者がびっくりするといけないので、あまり大きな音は出さないでとの要望。
「獅子舞なのに!?」という気持ちと
「そりゃそうだよね、何かあったら大変だものね」という小さな葛藤を抱えながら
案内された先は、なんと屋外。
さらに扉を閉め切って、お年寄りたちは空調のきいた室内で鑑賞するという提案でした。

その日はとてもとても風が強く、気温が低く、
自分たちだけこの環境でやる扱いにさすがに悲しくなってきました。
でも、慰問なんだしこれも配慮なんだし、仕方ないと自分に言い聞かせていると

「ちょっといいですか~」と軽やかに声をかける中国軍団。
返事を待つまでもなく、すすすーっと施設内に入っていき、
あちこちを歩き回り適当な場所を見つけると
まったく臆することなく「ここなんてどうですかね?」と言うのです!

わたしは「さっき言われたばかりやん!!」とびっくりして
職員の方をみると、あっけにとられている^^;
「ええ….音はどうしましょう…..」とyesともnoとも言えずにいるうちに、
「音はどうにでもなりますから」と切り替えし、
初めから決まっていたかのように、室内で演奏できることになったのです。

そしていよいよ本番がスタート。
最初の出し物のフラダンスではみなさんこっくりこっくり。
ゆったりした音楽が子守唄になって気持ちよく寝入っておられました。

次に獅子団登場です。
銅鑼の音にはっと目覚め、太鼓とシンバルに合わせて獅子が踊りだすと、
無表情だった顔がどんどん笑顔に変わり
車椅子の上で首を振りながらリズムをとり始めました。
同席していた近隣の保育園児たちも、獅子を目掛けて突進。
大盛り上がりのステージになりました。

求められていたのは音を控えることではなく、音を届けることだったのです。
終了後、職員の方の態度が一変し、次回ステージのオファーまで受けました。

この出来事は、本当に大きな気づきになりました。
日本人であるわたしは、相手を気遣うという尊重の仕方をします。
意を汲み、どうすれば和が保てるかを優先順位に考えます。

もしも、それに縛られて、言いたいことを胸にしまい、ステージを行っていたとしたら
獅子の面白さは伝わらず、自分達にもどこかしら犠牲感が残り、
おそらく次へもつながらなかったでしょう。

しかし、中国メンバーは遠慮せずに言いたいことを伝え、
自分達がやりやすい環境を手に入れ、自分達が思い描いたとおりにやった。
結果的に、その場にいるすべての人を満足させることができた。

この違いはなんなんだろうと….
やりたいようにやって、みんなHAPPYになれるんじゃないかと……

しばらくこのカルチャーショックを引きずっていたのですが
少しづつ獅子団のメンバーを大切なパートナーだと思うようになりました。
何より、言いたいことを言えるあり方は、なんと楽なのか。
苦手なチームワークも、人前に立つことも、この環境ならできるなぁと。
PLAYERになるということは、賞賛も批判も受けるリスクがありますが
自分を出し切った後なら、腹も括れるといいましょうか….

ちなみにわたしが個人的にいちばん中国人っぽいと思う方いわく、
日本人のいちばん好きなところは謙虚さだと……
パートナーシップは奥深い….

2013年はいろんなことが「逆さま」になるんだろうなと感じておりますが
そのしょっぱなの出来事をお届けしました。
今まで、サポート側の人生だった、そこのあなたもPLAYER側になるのかもしれません^^

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樂庵 かなざわ

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