7月24日追記:先般、文部科学省スポーツ功労者国際大会優秀者賞受賞されました。
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ソウルから戻ってすぐに、第31回全日本武術太極拳選手権がありました。
国内最大の大会で、ここでの勝者が、
日本でいちばん実力があるということになるわけですが
われわれの佐藤直子先生が出場されるため、
中華街・媽祖廟 太極拳シニアライフ会のみなさんと観戦に行きました。
真っ赤なTシャツにキンキラの中国刺繍の旗を振るファンキーな集団。
3階席から「直ちゃーーーん!」と声援を送るたびに
まわりから二度見され「クスクス」と笑われてしまったのですが^^;
自選難度太極剣1位、
自選難度太極拳2位(1位と0.03点の僅差)の勇姿を見せていただきました。
太極拳はオリンピック競技ではないので
(2020年夏季五輪の候補になったのが初、後に落選)あまり実感しませんが
考えてみると女子フィギュアスケートの浅田選手のような立ち位置です。
頂点に立つまでの気の遠くなるような時間の重み。
先生は無敗のチャンピオンではなく、
いちばん乗っているはずの二十歳前後に
選手生命を絶望するような怪我をされ一線から外されています。
またスポーツの世界もイメージほど爽やかだけではいかないようで
悔しい思いも幾度もされてきたようで….
そうした谷底から這い上がってきた人生が太極拳に凝縮されているのか
先生の演武を見て涙される人が多い。
その現役選手の時代に居合わせられたこと。
感謝しかありません。
今、コートに立つと生徒の顔が浮かんでしまうとのことでした。
恐縮する思いもありますが、分かるような気もします。
なぜなら、わたしも先生はずいぶん年下なのですが
太極拳をご一緒しているときだけは、母親、
もっと正確に言うと母鳥の大きな翼に守られているような感覚になるからです。
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積み重ねとはすごいもので
佐藤直子先生からこれまで100以上のレッスンを受け
そのたびに10回以上注意を受けるので
いつのまにか1000~1500回程度もアドバイスをいただいたことになります。
わたし自身は太極拳がうまくなりたいというよりも
先生のように美しくなりたいという邪な思いが最優先なので
本人がおっしゃるのだからこれ以上のアドバイスはない、と懸命に聞こうとします。
ところが、日本語なのに内容がまったく入ってこない。
かろうじて500回目くらいから、言葉の意味は何とか分かるようになりますが
分かっても、身体でどうしても再現できない。
それでも続けていると、どういう訳か1000回目を過ぎたあたりから、
何を変えたわけでもないのに突然、出来るようになったのです。
「身体が思うように動く!」
この感覚は衝撃でした。
(こんなすごい方に1000回も言わせるって…..)
そして血行不良からくる肩こりや腰痛なら、
身体の動かし方で治せてしまうように…..
さらに….
ふと腰に手を当てると「あれ?こんな感触だったっけ?」と
自分で違和感を持つくらいラインが違う。
いつのまにか服が2サイズ小さくなっている….
努力しているときはできないのに
何だかわからないけど夢中になっているうちに叶っている。
何でもいいから
「やりたいことをやり続ける」
それが本当に大切ですよね
樂庵 かなざわ
RAKUANのおしごと