先週末は、世界最速のモータースポーツ『レッドブルエアレース』が
初めて日本で開催されるということで、千葉市・幕張海浜公園に行ってまいりました。
といっても、テレビもない生活をしているので
世の中にこうしたイベントがあること自体知らなかったのですが
(意識を向けないということは、ほんとに存在しないと同じなんだなと改めて痛感…)
飛行機好きの家族が、たまたまローソンでポスターを見つけ
開催日が自分の誕生日と重なっていることにときめいたそうで…フフ
同行することになったのでした。
当日が近づくにつれて、日本ってつくづく豊かな国なんだなと感じました。
下の表をご覧ください。
レースは予選・本選の2日間にわたって開催され
各日6万人、合計のべ12万人が観戦できるのですが全席sold out
幕張海浜公園は横長で段差のない人口砂浜なので、観戦の地理的な条件としては
そんなに変わらないと思うのですが、高額席ほど早く完売。
わたしたちは小市民的に真ん中あたりの席をとりましたが
当日、会場に入って「アンビリーバボーー!」と叫びそうになりました^^;
与えられたのはプールサイドによく置いてある、長椅子2客のみ!
(こ、これが6万円!?)
5月の紫外線マックスの海辺で
傘禁止、水持込禁止、レジャーシート禁止、再入場禁止
その環境で、約1分のフライトを繰り返し見るという、究極の娯楽…
心の、感情の、うれしさ。
ただそれだけのために、これだけたくさんの人が
これだけ時間と費用とエネルギーをかけて、
真っ赤に日焼けしながら、今か今かと待っている。
ヨーロッパ圏のイベントだけあって、はっきりとした階級差を演出してあり
ラウンジ席は屋根付、ソファ付、シェフ付、アルコール付、駐車場付、まさにセレブ!
A席は直座り、人口密度かなり高し、でも盛り上がりはいちばん!
歩いて横切れる範囲の砂浜。
せいぜい数百メートルごとに変わる世界。
カオス…カオス過ぎる。
そりゃあ、ラウンジ席がいいよ、と誰もが思いそうなものだけれど
深い部分では自分が好きで選択しているんだろうな。
少なくともわたしはそうだ、両隣の世界が垣間見れたことに心が動く。
その多彩さを含めて、こんな豊かなことってあるのかなあと感じ入りました。
いざレースが始まってみると、「早いな~」「すごいな~」とは感じるものの
何が面白いのかまではわかりませんでした。
しかし、公式資料を読んでいくうちに少しずつ理解できてきました。
まず、パイロットが強力なG(重力)を受けること。
1Gとは、車で急ブレーキを踏んだとき、ガツンと受ける衝撃のレベル。
エアレースの場合、最大で10Gかかるそうですが
10Gとは自分の体重を10倍に体感するということ。
70kgのパイロットなら、700kg分の負荷に耐えるせいで
血液が足に下がってしまい脳にいく量が相対的に減り、
目が見えなくなったり意識を失うこともあるそう。
ところが瞬きしている間(0.2秒)に20メートルも進んでしまうので
一瞬も意識を切ることができない。
さらにパイロン(三角コーンの巨大バージョン)を使ったエアゲートでは
機体を90度にして通過しなければならない。
例えると高速道路の狭い料金所をアクセル全開で通り抜けるような恐怖感。
当たり前のように飛んでいるように感じるけれど
生身の人間が神のような技術を駆使して、限界に挑戦していること。
舞台裏を知ってから改めて観戦してみると、やはり人間の豊かさを感じたのでした。
(レッドブルエアレース千葉2015公式ガイドブックより)
初のアジア圏パイロットは日本人。室屋義秀選手の飛行。
樂庵 かなざわ
RAKUANのおしごと