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沖縄で開業している精神科医の越智啓子先生からの発信で、感動的な動画を知りました。
「鷹の選択」というタイトルで、
鷹の寿命は最高70年だそうですが、その一生を追った記録を編集したもの。

鷹は人生半ば、折り返し地点の40歳あたりで過酷な選択の場面に遭遇します。

爪が弱くなり獲物が取れなくなる……………..
嘴が長くなりすぎて胸を突き刺してしまう………..
羽根が重くなり自由に飛べなくなる……………..

ここで自ら選択します。

死を待つのか。
それとも蘇生の道を選ぶのか。

生きる道を選んだ鷹は、山頂の巣にこもりたった一人で挑戦をはじめます。

嘴を自ら岩に打ち付けて砕き、今までの嘴をなくし
出てきた新しい嘴で、今度は爪を自ら剥ぎとります。
新しい爪が生えてきたら、羽根までも自ら一本一本抜き取る……..

それを選択した鷹だけが、新しい姿に生まれ変わって
残りの人生(鳥生?)を自由に舞うことができる。

BGMの『You raise me up』がまた感情を引き出して、泣けます~

人間もまったく同じだと感じました。
心理学的には、「中年の危機(ミドルエイジクライシス、人生半ばの危機)」と言ったり
ユングは40歳前後を「人生の正午」と呼んでいますが
人生の後半戦、どう生きるか?というのは
カウンセリングでもよく扱わせていただくテーマなのです。

わたしの人生これでよかったのかな?
もっと何かをできたんじゃないのかな?
女性として男性として終わっていくのかな?
そんなに面白いこともないけどこんなもんだよね人生なんて……

あんなそんなこんなから
病気になったり、パートナーシップに問題が表れたり
対人関係がどうしてもうまくいかなくなったり
仕事を辞めたくなったり
突然スピリチュアルに傾倒してみたくなったり
はたまたその感情自体に触れたくないがあまりにハードワークをしたり
誰かの何かのせいにしてみたり……

そんなことになっているのは決してあなただけではありません!!(笑)

画家のゴーギャンは、43歳のとき妻子と安定した仕事を捨ててタヒチに移住し、
新しい暮らしをはじめましたが、評価がなされたのは死後でした。
(これにちなんでゴーギャンコンプレックスという言葉も生まれました)

生前、傍から見ると何をトチ狂ったのかと思われたでしょうし
本人からすると、タヒチでの暮らしは苦闘、死闘だった記録があります。

ここまで極端なケースではないにしても、
人生半ばの再誕生の場面をどう迎えるのか。
これは難問だと思います。

しかし、なにが正解かというのは誰にも分からないと思うんですね。
正解がないというのは不安になります。
不安が高じると恐れに変わり、問題の核心に沿っているかということよりも
目の前の不安をなくすことが最重要課題になってしまう。

ここで常識的なアドバイス(批判も含む)なら簡単に得られるので
それに従ってしまいたくなりますが、
そうすると世間のために、常識のために、観念のために生きることになります。

自分の答えは誰かが教えられるものではなく、
こればっかりは一人ひとり違う。

答えを見つけるためには、自分の中に入るしかない。
そして自分の選択に責任を持たなくてはいけない。
この作業が嘴を砕くように苦しいのです。
今までの自分を手放して変化させることは怖いです。
新しい自分を定着させるには忍耐の連続です。
自分の選択を信じるには強い精神力が必要です。
(この作業に同行するわたしは、よく暴れられます!笑)

自分の中から掴んだ答えが、ドラマチックな展開であることもあれば
平凡な毎日がいちばんだとやはり選択するかもしれません。
こうした結論も大切なことに違いありませんが
このプロセスを通り抜けると、
自分で自分を救い、自分を生きられるようになる。
その姿と鷹が大空を舞う姿が、とてもとても似ていて思わず涙した動画のご紹介でした。

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樂庵 かなざわ
RAKUANのおしごと

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